
(家庭養育とアタッチメント)
家庭で子どもを育てるということ
赤ちゃんは、不安やつらさを感じたとき、自分ひとりで気持ちを落ち着かせることができません。
お腹が空いたとき、眠いとき、怖いとき。
泣いたり、ぐずったりする赤ちゃんのサインに気づき、特定の大人が繰り返し応えていくことで、「困ったときには、この人が助けてくれる」という安心感が育っていきます。
日々、同じように応えてもらえることも、子どもの安心につながります。
こうした、幼い子どもと養育者との間に築かれる特別なつながりを「アタッチメント」といいます。
安心できる大人がそばにいて、いつも応えてくれる。
家庭での暮らしには、ひとりの子どもに継続して関わる大人との関係を育んでいけるという、大切な意味があります。
(地域としての養育)
地域で子どもを育む
子どもを育てることは、親だけが担うものなのでしょうか。
子どもたちは普段から、家族だけでなく、学校の先生や塾の先生、近所の人など、地域のさまざまな大人と関わりながら育っています。
大人たちは、声をかけたり、見守ったり、ときには叱ったり、一緒に喜んだり――日常の何気ない関わりが、それぞれの場所で子どもたちの成長につながっています。
こうした子どもの成長を見守り、その育ちに関心を持つという意味では、地域に暮らす大人一人ひとりも、社会の中で子どもを育む一員だといえます。
いま地域の大人に見守られている子どもたちも、やがて大人になり、この地域や社会をつくる一員になります。そして今度は、次の世代の子どもたちと関わる側にもなっていきます。
だからこそ、子どもの育ちを、その家庭だけの責任にしないことが大切です。
家庭には、それぞれにさまざまな事情があります。
親だけでは、子どもに必要な環境をつくることが難しいときもあります。
そんなとき、地域のさまざまな大人が関わることで、子どもの育ちを社会全体で支えていくことができます。
地域で子どもの育ちを支えるという関わり方にもさまざまな形がありますが、いずれも子どもが安心して過ごせる環境を支えるという役割があります。

(施設のあり方)
子どもの暮らしと育ちを支える施設の役割
子どもが家庭で生活することが難しくなったとき、その子どもが安心して生活し、成⻑していくための環境を、社会の中につくっていく必要があります。児童養護施設や乳児院は、そうした子どもたちの生活を支える大切な役割を担っています。
専門的な知識を持つ職員や、さまざまな関係機関が連携しながら、一人ひとりの子どもの状況に合わせて、生活や心のケアを支えていきます。家庭の中だけでは支えることが難しい状況にあるとき、子どもに必要な環境を整え、日々の暮らしを支えることも、施設が担う大切な役割です。
一方で、子どもの年齢や状況によっては、特定の養育者との継続的な関係を築きながら、家庭で生活することが望ましい場合もあります。一人ひとりに必要な環境を考えながら、施設と家庭がそれぞれの役割を担い、子どもの育ちを支えています。
(里親という存在)
実家庭から離れても、
子どもの家庭で育つ時間を
「里親」が地域の中につくる
子どもにとって、家庭で過ごす時間や、安心できる大人との継続的な関係を持つことはとても大切です。しかし、さまざまな事情によって、生まれ育った家庭で暮らし続けることが難しくなる子どももいます。親の体調や家庭の状況の変化、生活上の困難など、その理由は一つではありません。
そんなとき、子どもを必要な期間家庭に迎え、安心して暮らせる環境を支える存在が「里親」です。
里親は、子どもを「助けてあげる」特別な人ではありません。地域で子どもを育む大人の一人として、必要なときに子どもを家庭に迎え、毎日の暮らしをともにしながら、その子どもの成長を支える存在です。
食事をすること。眠ること。朝になったら「おはよう」と声をかけてもらえること。困ったときに頼れる大人がいること。
そんな日々の積み重ねが、子どもにとって安心できる暮らしにつながっていきます。
特に乳幼児期には、安心できる養育者との関係の中で、子どものサインに気づき、繰り返し応えていくことが大切にされています。生まれたばかりの赤ちゃんの中には、親の体調や家庭の状況の変化などによって、急に家庭で過ごすことが難しくなる場合があります。そのようなときに、子どもの状況に応じて、安心して過ごせる里親家庭という選択肢が地域の中にあることが大切です。
国や長野県でも、家庭での養育が難しくなった子どもが、その状況に応じて家庭的な環境で生活できるよう、里親への委託を進めています。長野県では、特に3歳未満を中心とした乳幼児について、里親家庭での養育を進める取り組みが行われています。
(関わり方)
あなたにできること
地域で子どもを育むということは、特別な人だけが担うことではありませんし、里親として子どもを家庭に迎えることだけが、地域で子どもを支える方法ではありません。
短い時間から子どもと関わること。一定期間、家庭で子どもの暮らしを支えること。そして、赤ちゃんを緊急に受け止めること。
関わり方には、それぞれの生活や思いに合わせた、さまざまな形があります。あなたにも、できる関わり方があるかもしれません。
まずは様々ある子どもとの関わり方、支え方を知ることから始めることができます。



